📖読書『風よ あらしよ』と 🍵本日のおやつ


エミリー・ブロンテの

『嵐が丘』を想起させる

タイトル




『風よ あらしよ』 村山由佳著


明治44年〜大正5年まで

発行された

婦人雑誌 『青鞜



その編集長業を

平塚らいてう から受け継いだ


伊藤野枝(いとうのえ)

そして…その夫 




日本を代表するアナキスト(無政府主義者)

である大杉栄(おおすぎさかえ) 


の物語






「アナーキー」という言葉は

昔、どこかの音楽ロックバンドの名前で耳に馴染んだぐらいで




私は…


アナキスト(無政府主義者)でもなく

社会主義や共産主義でもありませんが


 

『青鞜』発刊の辞の

平塚らいてうさんの


『元始、女性は実に太陽であった』




というコトバが

ただ 好きでした




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今日のおやつは


ひと足早く 桜の羊かん





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伊藤野枝は



関東大震災直後の混乱の中

夫の大杉栄と共に憲兵に捉えられ


甘粕正彦という憲兵大尉に首を締められ

殺されている

(甘粕事件)


享年28歳


それまで

なんと7人の子を産んで


紆余曲折の中

4人の子を育てながら


夫の活動を支え

また


自らも

女性の地位向上のため

執筆等の活動をしていた人









野枝の子ども達と同年代の

夫や私の祖父母たちが



「スエ」や、「ヨネ」などの名前をつけられていた時代に


伊藤野枝は 我が子に 


女の子には「エマ」や「ルイズ」

男の子には「ネストル」などと名付けている


その名前に私は冒頭から驚き調べてみると


なるほど

皆々

諸外国の有名な活躍をした

無政府主義者の名前からだった




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実話に基づく小説が好きだと



以前に書きましたが



これも そうなので


毎ページゴトと言ってよい程に

新たに登場してくる人物が

皆 実在の人物だから


スマホを片手にいちいち


ウィキペディアの顔写真を見て

おまけに興味があるから

生涯欄まで読み


その皆々がまた

物語の主人公になるべくストーリーのある

生き方をして

まして有名な人物ばかりだから


気付くとそれだけで

30分から1時間以上を費やしていて


遅遅として

読み進めるコトが出来ずにいたのだけれども…





その分


リアルさが最後まで迫ってきて



ここ、

何週間か 私は…


『青鞜』社に

出勤していたり


明治から大正の時代に生きているような気分



…でおりました






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ほんのり香る


桜の香りは



時代を越えて 癒される



かと






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『風よ あらしよ』!


この時代を生きていた女性たちの



その名の通りの

逆風に継ぐ 逆風の


この物語は





私の

これまでの生き方の


ダメな部分を

浮き彫りにしてくれた




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読み終えて


改めて見た



イラストレーターの オカダミカさん

作の


この表紙絵は


文面から受ける

伊藤野枝を 忠実に

表現している



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主要参考文献の量からみて



…多分

物語はほぼ事実に近いのだと

私は思う


読み終えた後は

泪が溢れ 暫し呆然となる



短く、貧しく、激しく、濃い壮絶な人生だけど


物心がついた時から



常に


「自分の頭で考え、

自ら望んだ生き方を選び それを

必ず行動に移した」



そんな生き方を貫いた

野枝さんは



きっと幸せだったのだろうと思う






       ✥庭のマンリョウ



野枝さんが

目指した無政府の社会とは



野枝さんの生まれ故郷の

村のような…



お互いに助けあって、支えあって

どこかの家に何か問題が起こっても

皆で話し合って 叱ったり、励まし、守り


そこには

上からの管理や


警察さえも要らない



お金があっても、なくても



「生きるための心配をせずに暮らしていける」




ー そんな社会だった